固体、液体の燃焼現象に関する研究

 固体や液体の燃焼現象の解明は、安全工学上、火災の防御において重要です。旋回流と火炎の干渉により火災規模が拡大する火災旋風は、森林火災や大規模地震により発生した都市火災で発生する可能性があり、被害拡大防止の観点から現象の解明などが求められています。また、可燃性固体や液体の表面に沿った火炎、さらには液体燃料から蒸発した可燃性蒸気の燃え拡がり現象の解明も、火災拡大の防止技術を検討する上で重要になっています。

火災旋風実験例
火災旋風実験例

ガス・粉じん系の爆発現象に関する研究

 可燃性ガスや粉じんによる爆発では、火炎が空間中を伝ぱし、それに伴い圧力が上昇し被害が生じます。火炎の挙動、圧力の変動および圧力波(爆風)の発生などについて検討し、的確な危険性予測および被害抑制の手法確立を目指します。また、破壊を伴うガス爆発や配管内を伝ぱするガス爆発、爆発によって巻き上がる粉じんの爆発挙動など、さらに複雑な爆発現象について解明を目指しています。

27m3 ビニルハウスを用いた大スケールガス爆発実験(水素/空気混合気)
27m3 ビニルハウスを用いた
大スケールガス爆発実験(水素/空気混合気)

水素など新規エネルギーキャリアの安全性に関する研究

 エネルギーキャリアとして利用拡大が進められている水素は、着火しやすく、爆発時の影響度も大きいため、安全な利用が要求されます。また、普及のためには社会受容性が必要であり、科学的な安全性データが求められています。現在、光触媒による水素製造プロセスや新たな燃料電池システムにおける水素利用の安全性の検証を行っています。さらに、水素キャリアとしてだけでなく燃料として注目されているアンモニアの安全性研究にも取り組みたいと考えています。